くわっちです。ご訪問いただきありがとうございます!
せっかく作るDIYの作品なので、やっぱり少しでも見栄えの良いものができると嬉しいですよね。
少しでも楽(らく)をして、少しでもコストをかけず、そしてキレイに作りたい。そして欲を言えばそれが安っぽく見えなくて、少しでも高級感あるように見えると、なお嬉しいですよね。
いやいや、自分はあえて難しいものに挑戦したい!とか、手間をかけて丁寧に作りたい!って人は参考程度にみてくださって大丈夫です。その中で少しでもお役に立てることがあるといいなと思います。
ほんのちょっとした工夫やちょこっと注意するだけで、出来上がりに大きく差が出てくると考えています。これまでのDIYの経験と本業である建築設計の知識から、より簡単に、より見栄えよく仕上げるための「豆知識」をお伝えできればと思います。
「なるほど」と思うものがあればぜひ試してみてください!
では、まずは第一弾スタートです。
1.部位の用途に合わせた材料の選択が大切
棚を作るにしても何か家具的なものを作るにしても、それぞれの部位にはそれなりの用途であったり役割が合ったりします。
木材には様々な種類があり、それぞれに特徴があって、何を選んだらよいのか悩んでしまいますよね。
- 重さ
- 強度
- 木目の有無
- 表面仕上げの肌合い
- コスト
そう考えると、部位ごとにどんな木材を選ぶとよいのか、この部位にはこういった木材がおススメというものがあるのだろうと、勘の良い方はお分かりではないかと思います。
自分が作りたいものの用途とそれぞれの部位の機能、それらに合わせて材料を選ぶ際の参考になると思いますので、是非見ていって下さい。
では、そもそも木材系の材料にはどのような種類があるのか、かんたんに見ていきましょう。
詳細は別途「木工DIY材料編」で紹介する予定ですので、少々お待ち下さい!
2.木材系の材料の種類
1.成型方法による分類
木材はその成型の方法により、おおむね4種類に分類されます。
- 無垢材
- 集成材
- 合板、ベニヤ
- 加工木質材料(パーティクルボード、OSB材、MDF材など)
1.無垢材(むくざい)
原木から切り出した木材で、本来の木目や肌触りなどそれぞれ異なった印象を楽しむことができる。ただし、乾燥による収縮や湿気による膨張により反りや捻じれが生じやすかったり、木目の方向によって強度にばらつきがあったりする為にいろいろと注意は必要ですが、家庭のDIYではそのあたりの反りや捻じれもひとつの「味」として楽しめるとよいと思います。
杉材や松(パイン)、SPF材、ファカルタ材、タモ材、ヒノキ材など様々な無垢材がありますが、DIYで扱いやすいのは、安価で柔らかくて軽く加工もしやすいSPF材がおススメです。
無垢材を使用することで、自然のそのままの材料を贅沢に使用していて高級感が感じられやすくなります。
2.集成材(しゅうせいざい)
細かい木材を貼り合わせて人工的に作られた木材で、無垢材同様の木目や肌触りは楽しめるが、表面や断面を見ると接着で作られていることが見てとれると思います。
木材の目の向きを多方向にして接着されているため、無垢材と比べると反りや捻じれも少なくて強度的にも高いため、市販の家具などでもよく使われています。様々な種類の木の集成材が存在し、DIYとしてもとても使いやすい材料です。
強度が高いため、切断や表面処理が多少難しいこともありますので加工についてのデメリットもありますが、表面は平らで木目もきれいに出ているものが多いため、棚の天板など広い面積での用途に向いています。
3.合板(ごうはん)、ベニヤ板
薄くスライスした板材を貼り合わせた木材で、強度が強く安価で様々な厚さのものがあります。
一般的にはラワン材を使った合板が有名ですが、表面は木目がほとんど見られずザラザラしていて、釘やビスなどを打つと材料が割れやすかったり、表面材としてはあまり見栄えが良くありません。
合板の表面に材上げをすることで見栄えをよくしたものがあります。表面に木目のある本物の木材の表皮を貼り付けた「天然木合板」や、プラスチック系のカラーシートを貼り付けた「カラー合板」、木目やその他さまざまな仕上げをプリントで再現した「プリント合板」などがあります。
木目はありませんが、表面がラワン合板よりも繊細で肌触りがよく、色目も明るいシナ材を使用した「シナ合板」がコストや強度その他の面を考慮するとDIYに最適な合板です。
小口(断面)の見え方に要注意。小口を見せない工夫や小口処理の工夫が必要ですね!
4.加工木質材料(パーティクルボード・OSB材・MDF材)
合板とは少し作り方が違いますが、木材を一度小さく粉砕して接着剤で加圧成型により板状にしあえたものがパーティクルボード・OSB材やMDF材です。
これらは木材の方向性がないので反りや捻じれなどの変形が少なく、強度的にも均質的で扱いやすいのに加え、加工もしやすい材料です。
パーティクルボードやOSB材よりもMDF材のほうが繊維が細かくて切断面も滑らかなので、よりDIYに向いています。
これらの接着加工した材料は、独特の表面模様が個性的でおもしろいですね!
2.形状による分類
また、以下のような形状のものが一般的によくDIYで使われています。
- ランバーコア材
- 野地板、羽目板
- 有孔ボード
- 角材、丸材
それぞれについて少しだけ紹介しておきます。
1.ランバーコア材
角材をブロック状に組み合わせた両面に、合板を貼り合わせて挟み込んだもので、中が中空になっているため厚みに比べて非常に軽く、厚みを持たせたいときに扱いやすいのが特徴です。
2.野地板、羽目板
野地板は屋根の下地材として作られた材料で、表面加工がされていないためザラザラでそのまま使うとトゲが刺さったりして少し安全上は問題がありますが、非常に安価に手に入るため、DIYの材料として利用する方も多いようですが、使用する前にしっかりと表面処理をする必要があること、表面処理をしたとしても表面が荒くあまり見栄えが良くないのでおススメはしません。
羽目板は板の端をはめ込んで合わせられるように凹凸加工が施された材料で、家具の材料というよりは、床のフローリングや壁・天井の仕上げとして利用されることが多い材料です。初めから表面仕上げがなされたものや、自分で塗装ができるように素地のものもあったり、使い勝手が良い材料です。
3.有孔ボード
パンチングボードや穴あきボードなどと呼ばれ、DIYでは様々な金物と組み合わせて壁面収納などとして使えるため人気の材料です。また、穴の並んだ表面は一種のアクセントとして楽しめます。
カラー合板やプリント合板、シナ合板などで作られたものがありますが、表面の肌合いが良いことや自分の好みで塗装ができることから、シナ合板の有孔ボードをおススメします。
4.角材、丸材
断面が四角や丸い形状の棒状の材料で、無垢材で作られたものや集成材で作られたものがあります。
角材は小口処理材として、また少し太いものでテーブルや家具の足としても使われます。また丸材は落下防止のバーや持ち手などで使われることが多く、角材と違い柔らかいイメージを与えることができます。
それぞれの木材の特徴を理解して、自分なりの使い方のルールが作れるとよいですね!
3.各部位でのおススメの材料
では次に、各部位ごとにどの成型方法のどの形状の材料が適しているのか、その理由と合わせておススメの材料をご紹介します。
くわっちは、おおむね以下の材料を使い分けて、だいたいのDIYは完結できています。
- SPF材(1×材)
- SPF材(2×材)
- パイン集成材
- シナ合板
- シナ合板(有孔ボード)
- 角材、丸棒ほか
部位ごとに自分なりのルールを決めることで、たくさんのDIY作品を作ったとしても、統一感があり、安全で長く使える、かつ見栄えの良いものが自然とできてくることになります。
一度ルールができてしまえば、設計にかかる時間も短縮されてきますよ!
1.側板や軽いものを載せる程度の簡単な棚板・・・SPF 1×材(ワンバイ材)
荷重的な負担がない又は少ない部分には、コストも安く加工もしやすい材料が良いですね。
まずは、DIYで最も扱いやすい材料であるSPF材の中で、「1×材」を選びましょう。
部材寸法として、厚みが19mmのものが「1×材」と言われています。以下代表的な規格です。
1×2、1×3、1×4、1×6など、幅寸法は多数のバリエーションがありますので、最適な幅を探して設計図を考えてみましょう。
2.重いものを載せる可能性のある部材・・・SPF 2×材(ツーバイ材)
少し重いものを載せる棚としては、1×材では不安ですね。棚として利用すると重みで撓(たわ)んでしまったり、柱として利用するとぐらついたり。
1×材では心もとないという時には、「2×材」を選んでください。これは人が乗ってもまず撓んだりしないくらいの強度がありますので、これを選べば強度的にはまず問題ありません。
ただし、部材がごつくなると見栄えが悪くなる場合もありますし、何せ1×材よりも高くつきますので、過剰な仕様にならないように、バランスを取りながらDIYを楽しみましょう!
重いものでなくても、棚を支える支柱の間隔が広い場合なども、撓んでしまう原因になります。設計図を書く段階で、材料が撓まないか実際に確認してみることをおススメします。
- 予定の支柱間の距離を保つように端材等で基礎を作る
- その上に、1×材もしくは2×材を載せる
- 実際に載せたいものがある場合は実物を載せてみる
- 実物がない場合は、おおむねこのくらいかなって感じで体重をかけてみる
棚1段に数枚の部材を使う場合は、1枚当たりの部材にかかる重量は枚数分で割った重さ程度と考えれば大きく問題はないです。
個人のDIYならら多少の失敗も自分次第ですので、難しいことはあまり考えず、実際にやってみることが一番わかりやすいと思います。作ってみてもし撓んじゃったらもう一度作り直せばよし、次からへの学習と考えるもよし。まずは気楽に実際に体重をかけたりして荷重確認をしてみてください。
経験していくことで「これは1×材ではだめだな」と見分けらえるようになってきますよ!
SPF材について詳しく知りたい方はこちらを参考ください
SPF材の規格については、Hiroの手作り木工様のサイトでわかりやすく解説してくれていますので、紹介させていただきます。SPF材使いたいけどサイズとかよくわからないという方は、一度確認してみてください。
【SPF材の早い表】サイズと価格が一目でわかる【見やすさ重視】
1×材、2×材といったSPF材についての詳細については別途このサイトの「木工DIY材料編」でも特集しますので、少々お待ちください!
3.机やテーブルなど、書き物などでも利用する平らな台・・・パイン集成材
ある程度大きな「面」で見える、机やテーブルなどの台は使い勝手と見栄えが気になるところです。
書き物などの作業がある場合は表面がある程度硬くて平らなものが良いですね。また、せっかくの木材ですので、木目が感じられる材料を選びたいところです。
コストに余裕があれば、無垢材のキレイなものを使えるともちろん良いですが、DIYとなるとなかなかハードルが高くなりますね。機能的な部分と見た目でおススメは「パイン集成材」です。
4.面できれいに見せたい棚の子扉など・・・シナ合板
棚の子扉は少しこぎれいな表面で見せたいものだと思います。
ある程度の大きさの扉なら、ガラスやアクリルを入れ込んだり、少し飾りをつけてオシャレにしたいところですが、小さな子扉ならサラっと一枚の板で見せるのがシンプルでキレイです。
特に飾りもないなら、安くすませるために「ラワン合板」でいいやって思うかもしれませんが、そこは少し頑張って、「シナ合板」を選択してください。
表面の肌合いが細かいうえに色も明るくて、そのままの仕上げでもよいですし、塗装(浸透性のステイン塗装など)をしても仕上がりがキレイです。
少し寂しいなと感じたら、ステンシルなどで少しデコレーションしてあげるだけで雰囲気が出ますよ!
5.ものを飾ったり、アクセントにしたい壁面・・・シナ合板有孔ボード
見栄えだけでなく使い勝手も良いのでDIYではよくつかわれるのが有孔ボードです。
有効ボードで使える小物もいろいろと展開されているので「飾り壁」としても便利に使えますし、アクセントとしての利用もできる、窓際に置いたりすればパンチングの穴から光が漏れて面白いですね。
シナ合板の有孔ボードはくわっちもとても好きな材料です。いろいろとおもしろい使い方が見つかるかもしれませんので、ぜひ上手に使ってみてください。
6.その他小口ふさぎなど・・・角材・丸棒ほか
これらは副次的な部材となることが多く、その都度適宜選んでいくことになります。
角材は薄い材料の小口隠しとして取り付けることで、厚みのある板状の部材のように見せて重厚感を持たせたり、棚受けの下地として利用したり、その棚受け材を隠したりなど、様々な利用法が考えれます。
また丸棒は、例えばタオルなどを掛けるポールや棚の落下防止などの利用も考えられますね。
その他、金属系の部材なども少しずつ付け加えていくと製作物の幅が広がっていきますね!
4.まとめ
少しでも楽(らく)をして、少しでもコストを減らし、そして少しでもキレイに仕上げたい。
そのための【木工DIY豆知識】の第一弾として、今回は部位の用途に合わせた材料の選び方についてでした。
それぞれの部位には、用途や役割があり、強度や見栄えなどからもそれらに適した材料を選ぶことが大切であることはなんとなくご理解いただけたのではないでしょうか。
設計段階でしっかりと適切な材料選びをしておくことで、出来上がってから撓んじゃったとか、なんだか安っぽくなっちゃったなどの失敗を少なくすませることができるはずです。
また、部位ごとに自分なりのルールを作ってしまう事で、統一感があり、安全で長く使える、かつ見栄えの良いものが自然と完成することになります。
木工DIY豆知識、まだまだ続きますのでお楽しみに!よろしくお願いします!
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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