【賃貸木工DIY】賃貸住宅でのDIY 知っておくべき3つのポイント

DIY始め方

このブログは今のところ、賃貸住宅居住でのDIYについてをメインに扱っています。

が、今回は木工DIYに限らずDIY全体に関係する話になりました。

大前提として人から借りているおうちなので、守らなければならない「ルール」がありますよね。でも、賃貸でもルールを守っていくつかのことに注意するだけで、DIYを楽しむことは可能です。実際にそうやって楽しんでいる方もたくさんいますし、私もそのひとりです。

以下のポイントに注意して退去時に問題なく、気持ちよく引き渡すことができるようにDIYを楽しみましょう。

  1. 原状回復の必要性をしっかりと確認
  2. 安全で作業しやすい作業場所の確保
  3. どうしても居住スペースの中での作業となる場合の注意点

DIYに関する直接的な内容ではありませんが、知っておくと何かと重宝しますので、少し堅い話で面白くないかもしれませんが、是非最後まで読んで、楽しくDIYしながらせっかく作ったDIYの作品たちを有意義に活用していきましょう。

くわっち
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ひとつずつ説明します。ルールを守ってDIYを楽しみましょう!

1.原状回復の必要性をしっかりと確認

現在の日本の賃貸住宅では、退去時に状回復というのが基本になっています。

皆さんがなかなかDIYに踏み出せない理由がそこにもあるのではないでしょうか。原状回復の条件と内容をしっかりと見極めておくことで、よりDIYを楽しむことができるようになります。

確認しておきたいのは以下の3点です。

  • 入居契約時にどこまでの原状復旧が必要かを事前確認
  • DIY可の物件という選択肢を考える
  • 内装制限(材料の不燃化など)法的な内容の確認

1.入居契約時にどこまでの原状回復が必要かを事前確認

みなさんご存じとは思いますが、賃貸物件を借りる際には「敷金」を収めることが通常です。敷金の金額は不動産業者によって様々ですが、通常は家賃の〇ヶ月分などとなっています。

この敷金にはいわゆる原状回復にかかる費用が含まれていることはご存じでしょうか。

平成10年3月、当時の建設省は、原状回復に関する裁判例等を集約し原状回復に関する費用負担等のルールに関するガイドラインを公表。

その後国土交通省となってから、平成23年8月、原状回復ガイドラインの一層の具体化を進めたほか、原状回復のためのルールを普及させるために手順を明確化させるなどの内容を取り入れ、原状回復ガイドラインを再改訂しました。

では、そもそも「原状回復費用」にはどのような項目が含まれるのでしょうか。

難しいことは置いといて、おおむね以下については賃貸人負担、つまりは大家さんが敷金から行う原状回復の内容と思ってよいでしょう。居住者の使い方に関係なく、普通に利用していても発生してしまうものが当てはまります。例えば以下のような内容が該当します。

  1. 家具の設置による床材のへこみなど
  2. 経年変化による壁材や床材(畳やフローリング)の色の変化による更新
  3. 下地ボードの張替えが不要である程度の画鋲・ピンの穴の補修
  4. 設備・機器の故障・使用不能(機器の寿命によるもの)による改修

これらを念頭に、不動産会社及び大家さんに確認してみてください。

DIYをする皆さんが気になっているのは、特に項目3つ目の「壁の穴」ではないでしょうか。よっぽど短期間で退去する場合以外は基本、次の入居者が入る前に壁のクロスなどは張替えが発生します。

壁紙を張り替えるときにはどうするのか、いったん壁紙をはがして下地のボード面を平滑にするために「パテ処理」を行います。多少のビスなどの穴はこの時点できれいに補修されてしまいますので、よっぽど大きな穴をあけた場合以外で費用を請求されることはないでしょう。これから入居を考えている方は、契約の際にこれらの内容をしっかりとを確認しておくことで、安心してDIYをすることができます。

2.DIY可の物件「DIY型賃貸借」という選択肢を考えてみる

海外ではかなり割合が増えているDIY可の賃貸住宅ですが、日本ではまだまだ認知度は低いですね。賃賃貸物件における割合は現在ではわずか数%しかないのが実情ですが、少しずつ増えてきて入るようです。

アメリカやイギリスの若者たちは、自分の好きな壁紙などに張り替えたりして、カッコよく暮らしているのだとか。これは住み手だけでなく実は貸し手にもメリットがあります。

DIY可の物件ではもちろん自分好みにしたい人が住むわけですから、入居前のクロスの張替えなどのリフォームを賃貸人が実施する必要がなくなります。住み手も以前の住み手の貼った壁紙が気に入ればしばらくはそのまま住むことも可能ですのでお金がかからず、お互いにハッピーですね。

近年、国土交通省が工事費用の負担者が誰かに関わらず、借主の意向を反映して住宅の改修を行うことができる賃貸借契約やその物件を「DIY型賃貸借」として定義しました。

このような背景には以下のような社会的状況が原因しています。

  • 増え続ける空き家の有効利用が課題となっている
  • 中古賃貸はコストも安いうえに入居希望者も減少している
  • 持ち家神話が崩れてきていて若者中心にリフォーム需要が高まってきている
  • コロナ可で生活環境が変わり、住環境の変化への対応が必要になってきている

消費者にカスタマイズ・DIY意向を調べた調査(リクルート調べ)では、賃貸部屋をリフォームや自由にカスタマイズできたらいいのにと思った割合は9割近くにも達していたとのこと。需要はかなり増えているようですね。

大手賃貸物件紹介サイトでは、検索条件に「DIY可」「カスタマイズ可」という項目で検索することができるようです。

DIY型賃貸借では、賃貸借契約書に「DIYに関する特約」が規定されていて、借り主からの「DIY工事の申請」と貸し主の「DIY工事の承諾」をそれぞれ別個の書面でやりとりする必要があります。また、「DIY工事の詳細についての合意書」も契約時に交わしておく必要があります。

くわっち
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DIY可能な賃貸住宅については別途、特集記事でお伝えしていきます。少々お待ちください。

ちなみに、「追加機能型DIY」という、若干家賃が上がるけど欲しい設備を追加でつけてもらうなんて制度も少しずつですが採用されてきていますが、これはあくまで余談でした。

3.内装制限(材料の不燃化)など法的な内容の確認

マンションなどでは「内装制限」といって、室内に使用する材料について法律的に制限が与えられていることが多いです。材料には「不燃材」「準不燃材」「難燃材」など、その材料が燃えやすいか燃えにくいかという指標に基づいた表記があります。木材などは基本的には燃えやすいため、上記のどれにもあてはなりませんが、「内装」というのはあくまでも壁や床・天井に直接仕上げる材料を指していますので、DIYで皆さんが作るであろう家具や棚などは該当しませんので問題ありません。

ただし、前の項目であった「DIY型賃貸借」において壁紙や床材などを張り替えたいと思ったときには、この「内装制限」を確認して、必要な仕様を満たす製品を選ぶようにしてください。

この内装制限による必要な仕様については、不動産会社に確認すれば教えてくれると思います。というより、「DIY工事の詳細についての合意書」に表記されているはずです。

実際のところ、この法的な制限については新築物件での行政検査を受けるときには確認をされますが、DIY程度の改修であれば行政への届け出もないので誰が検査することもないのですが、一級建築士として業をなしている筆者としては大声でおススメすることはできませんのであしからず。

くわっち
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法規的な制限は自主的だとしても必ず守ってくださいね・・・

2.安全で作業しやすい作業場所の確保(賃貸物件選びの条件)

賃貸でのDIYの場合、作業中に借り物である住居を傷つけたり汚したりすることは避けたいですね。

ついつい自宅の中で作業をしてしまいがちですが、極力作業がしやすい場所が周りにないか、いろいろと探してみてください。またやすり作業などはたくさんの粉塵が室内に舞ってしまうため、極力外部で作業することをおススメします。

以下のような場所があるDIYerは幸せ者です!

  1. 広いバルコニー
  2. 行き止まりの玄関前廊下
  3. 自分用の駐車場スペース

ちなみに筆者は転勤族で、いまだマイホームを持てないままですが、そのため転勤の際の住宅探しでは、「DIYがやりやすいか」もかなりの重要なファクターとなっています。上記のような場所が確保できる賃貸物件はおススメですよ。

1.広いバルコニー

自宅にこんな広いバルコニーがあるとしたらそれはラッキーですね。防犯的な心配はありますが、1階にある賃貸では広い前庭がついた住居も有ったり、上層階ではルーフテラス付きなんて物件も結構見受けられます。

もちろん家族団らんでも楽しめますし、何といってもDIYしたがりにとっては天国です。

長い材料を加工したりするのもやりやすいですし、加工時のおがくずなども場合によってはシャワーでジャーっと流してしまえば終わったりします。ただしたくさんのおがくずが出る場合は雨どいが詰まらないように流す前にしっかりと収集しておきましょう。

2.行き止まりの玄関前廊下

マンションの廊下は基本的にはほかの住人の方が通行されますので、ここで作業というわけにはいきませんね。当然。

しかしながら自分の家が一番端にある場合はどうでしょう。つまり行き止まりの場合は他人が通ることもなくほかの居住者に迷惑になることもないですよね。また玄関までの通路となる廊下部分は雨掛かりにならないようにたいていの場合は屋根がついているため、静かな雨の日ならば作業することができるのが良いところです。

筆者が以前住んでいたマンションは小規模で各階に2住居のみ、しかも上のほうのフロアは各階に1住居のみで、つまりは我が家だけしかないため、住居前の廊下やEVホールやらがすべて使い放題でした。

引越しの前には次の住居のための家具なんかもこの空間で作ってしまい、引越しトラックに載せて新しい住居まで運んだりしましたのでとても重宝しました。

くわっち
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もちろんこれらは共用スペースなので普段はきちんと片付けてあり、DIYの時だけ場所を拝借していましたのです。はい。

3.自宅用の駐車場スペース

これまた賃貸住宅でそんなところでDIYなんてと思う方も多いかもしれませんが、物件によってはこれが可能になります。

一般的にはマンションの駐車場は1か所にまとめられており、家の玄関からも離れてなんてできない場合が多いと思います。先に紹介した筆者の以前の小規模マンションでは、マンションを出たすぐ前に駐車場がありとEVとほぼ直結していたため、駐車場でのDIYも可能でした。また今住んでいる賃貸住宅は「タウンハウス」形式で、3階建ての横並びの住宅で今回も玄関の目の前に自分の駐車場があります。

低層のタウンハウスは玄関の前に駐車場があるケースは多く、海外では路上に駐車というのが一般的ですが、日本では各住戸に屋根付きガレージがついているような賃貸も結構あるようです。

便利な反面、次のような若干のデメリットもあるのでご注意ください。

  • 屋根付きを除き、雨が降ったら作業ができない
  • 雨水の排水のために床に勾配がついているので平な面で作業ができない
  • 砂利などが落ちているため、直接材料を置くと傷がついてしまう
くわっち
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作業台を持っていくなど、工夫をすれば作業ができますね!

DIY型賃貸借物件に加え、これらの条件のいずれかがあるととてもDIYがやりやすくなります。引越しの際の住宅選びの参考にしてもらえると嬉しいです。

廊下や駐車場で作業していると迷惑にはならないとしても、周りから作業風景は見られてしまうため、「DIY好きなんだな、いつもよくやってるよね」と噂になるかもしれません。そんなことは気にせずにDIYは楽しんだもの勝ちですよね!

3.どうしても居住スペースの中での作業となる場合の注意点

先に述べたような作業スペースが確保できれば良いですが、どうしてもそのような作業スペースが取れない時には、居住スペースでの作業となります。

借りているお部屋を気づ付けたり汚したりしないよう、またお隣さんへの配慮も忘れずに以下の点に注意しながらDIYを楽しみましょう。

  • 近隣への作業中の音についての配慮
  • 木材の加工中に床に傷をつけない工夫
  • 塗装を周辺につけない工夫
  • 床壁天井を傷つけずに設置

1.近隣への作業中の音についての配慮

DIYはどうしてもいろいろな音が出てしまいます

のこぎりで物を切る音、トンカチで釘をたたく音、ドリルでの穴あけやビス止めの音などなど。

大抵の人は休日の昼間の作業になるのではないかと思いますが、場合によっては平日や急いでいる時には夜間にもちょっとやっちゃったりするかもしれませんね。でもそこは近隣さんのことを十分に気にかけて作業をする必要がありますのでご注意ください。

昼の作業だからといって、気にせずバンバンやってよいわけではありません。少しでも音を小さくするように工夫をしながら作業をしましょう。

うるさい!って怒られると凹んじゃいますし、何より近隣さんとのお付き合いの関係がぎくしゃくするのも困りますしね。

次のような点に注意して作業しましょう。

  • トンテンカンテン音の出る作業は昼のうちに済ませる
  • ドリルでの穴あけやネジ締めは夜間作業は見送る
  • 残った作業は我慢して翌日にまわす
  • トンカチを使う際には材料の下に防振ゴムなどを敷く
  • 夜間作業でのおススメは部材切り出しの寸法出しや簡単な塗装作業

2.木材の加工中に床に傷をつけない工夫

最も危険なのが木材加工中に床を傷つけることです。

前に書いたように木材の加工はゴミや粉塵もたくさん出ますし、できるだけ外部作業がおススメですがどうしても室内作業となる場合は次の2点について特に注意しましょう。

  • 木材を切断する作業
  • 木材にドリルで穴をあける作業

切断や穴あけ加工ではのこぎりやドリルといった工具を使います。間違えて床にぶつけたりすると簡単に床に傷がついたり、穴があいてしまったりということになりかねません。

当然ですが床に材料を直置きで作業する人はいないとは思いますが、力が入りやすいのでできるだけ床に近いところで作業をしようと考える人は多いかもしれません。

これらの作業をする際には以下のような点に注意すれば、「失敗した~」ってことにならないですよ。

  • なるべくテーブルや台の上で作業
  • 床で作業をする際はしっかりと厚みのある端材を下に敷いて部材を持ち上げて作業
  • 材料が動かないようにしっかりと固定
  • 人の手を借りて材料を押えてもらう
  • ドリルの歯にどこまでいれるとよいか印をつけておく

特に初心者の方は切断や穴あけ加工ができて材料を持ち上げてみたら「ガーン!床やっちまったよ!」なんてことがありがちなのでご注意ください。自分のテーブルに傷がついちゃうのはそれはまあ自業自得というか、授業料と考えてよしとしましょう。

くわっち
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いやホント・・・筆者も初心者の時にはやっちまっていました・・・

ドリルの歯に印、テープではいちいちめんどくさいって方は小さい輪ゴムなんかで印付けてもよいかもしれません。市販の「ダボ用ドリルストッパー」なるものもありますが、穴が深くなると必要な深さまで到達できなかったり、それこそドリルの太さごとに変えるのも大変そうなので、筆者はこんな方法でやっています。

3.塗装を周辺につけない工夫

塗料の付着は塗装の時だけでなく、乾いたつもりで置いたところに塗料がついちゃったなんてこともよくありますね。

まず、塗装の作業ですがこれも木材加工と同様にできれば外部での作業をおススメします。

どうしても室内でやる場合の注意点を4つ挙げておきます。

  • おおきめのビニールシート(塗装専用を準備)をしっかりと敷き詰める
  • 塗装済みの材料を動かすのはしっかりと乾いてから(一晩おくのが目安)
  • 作業は特にゆっくり丁寧に、塗料が跳ねないよう細心の注意を払って
  • 自分の手には必ず塗料がついているものと想定し、あちこち触らない

塗料の臭いも部屋にこもるときついですし、どんなに注意してもまず作業している近辺に何らか塗料が飛んでついてしまいます。自分の手についたものを擦り付けたりなんてよくあることです。

4.床・壁・天井を傷つけずに設置

置き家具を作った場合はそのまま置くだけなので問題ありませんが、壁に棚を設置したり、地震時に倒れないように固定したいというときには注意が必要です。

これは作ってからどうするかを考えるのでは遅く、製作の前の設計段階でしっかりと検討し、どのように作るべきかを考えておく必要があります

方法としては、例えば以下のような考え方があります。

  • 両サイドの壁と壁で突っ張る(つっぱり棒のように)
  • 床と天井で突っ張る
  • 袖壁(出っ張ている壁)を挟み込む
  • そもそも固定しない(縦横比バランスで倒れない構成とする)

デザインのアイデアについては、改めて記事を作る予定です。

設計段階での「床・壁・天井を傷つけずに設置」するためのデザインについてもまとめて行きたいと思っています。皆さんがデザインを考える上での参考となるよう頑張りますのでしばしお待ちください!

くわっち
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DIYではデザインがとても重要!かんたんで作りやすく見栄えの良いデザインを目指そう!

4.まとめ

今回は賃貸住宅でのDIYの3つのポイントについて確認してきました。

  • 原状回復の必要性をしっかりと確認
  • 安全な作業場所の確保
  • どうしても住居の中での作業となる場合の注意点

実際のDIYの作品作りについての直接的な内容ではないのですが、このあたりのことをしっかりと認識して理解しておくことで、これからのDIYがもっと楽しいものになっていくのではないかと思っています。DIYをやるうえでの大前提として参考にしていただけると嬉しいです。

次回予告

次は「作品作りの流れ 〇つのポイント」について解説したいと思います。これから執筆ですが。

デザインするところから、設計図の書き方、木材の準備、木材の加工、研磨、塗装、組み立てなど。

一つの先品を作り上げるまでの流れを簡単に説明しながら、かんたんで作りやすく、見栄えの良い作品にするにはどこに重点を置くべきかなど解説できるとよいなと考えています。

くわっち
くわっち

今回はこれまで、次回をお楽しみに。ご期待ください!よろしくお願いします!

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